教育には、芸術としての側面と科学としての側面があると思います。
答えや正解がないという前提で、その都度、そこにいる人たちが関わり合って、良い、美しい、正しいと信じられる道を探していくことが芸術的側面なのに対して、現在わかっている、正しいとされている事実に基づいて客観的に状況を観察、分析、判断し、不適切なことは避けて、できる限り最善を尽くすことが科学的側面です。新たな創造や研究の種がそこで生まれます。
どちらが重要ということではなく、大人の一人ひとりが、芸術家としての自由と、科学者としての知性の両方を大切にして、子どもと向き合えば良いと思います。その視点や感性や姿勢は、すべて自然と子どもに伝わるはずです。そこで子どもから新たな気づきを得られることもあります。その相互作用が教育そのものではないでしょうか。
うまくいかないことがあった時は、”正解”や”常識”にとらわれて芸術的な観点を失っていないか、あるいは自分の直感や信念に固執して科学的な観点を失っていないか、まずは自分を見直すことで、軌道修正できると思います。
自分も相手も人間です。常に状況をメタ認知して、柔軟に身体を変化させていくことが、大人には求められています。